書評 多数決を疑う 社会選択理論とは何か
こんばんは あさのです
みなさん民主主義は好きですか?
突然の政治的な質問であさのをなんだか怪しい人かと思われた方がいるかもしれませんが誤解です(/ω\ ブログ読むのやめないでっ
消費税増税がなされ、政治の決定が国民生活に大きく影響することをとても実感する今日この頃であります。民主主義国家において人民が選んだ代表者による政策の責任や結果は有権者である国民に帰するものであり、人民が自らの代表を選ぶための手段は多数決であることは当然でとても適切な手段であると考えがちです
本当にそうなのでしょうか…?
多数決には欠陥はない完璧な手段なのか…もし欠陥があるなら民主主義も虚構であるのかもしれない…
「多数決を疑う 社会選択理論とは何か」は多数決の欠陥や失敗の事例、代替ルールの内容やより良い投票ルールを探し求めた先人を紹介しています。
当然と考えていた「民主主義=多数決」という価値観が揺らぐ本書の読後感はオチの秀逸な推理小説のような感じと似ています。
「まさかそんなっ…騙されたっ」Σ(・ω・ノ
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多数決の失敗の事例を紹介します
1人しか当選しない選挙区において、保守派A、保守派B、革新Cの三者が立候補しました。この選挙区は保守派が優勢で革新派のCは劣勢とみられていましたが、保守派の票がAとBで割れたために本来三番手の革新派のCが当選するというケースです。
この場合に選挙区の民意は保守派の政治であるにもかかわらず漁夫の利を得た革新の勝利となります。これでは民意が反映されたのではなくただの多数決というゲームで勝っただけとなります。
このたとえはゴアVSブッシュのアメリカ大統領選挙で現実となりました。ネーダーの出馬により反ブッシュの票が割れてブッシュの勝利となりましたがブッシュを支持する票よりも支持しない票のほうが多いという結果となりました。
世界に大きな影響を与え、戦争の中心にいる国の選挙でこのパラドックスが発生したのは衝撃的です。もしネーダーが立候補しなかったら…イラク戦争などの歴史は変わっていたかもしれません。
このように多数決には票の割れに弱いという欠点があります
代替手段として三人の立候補者を一位、二位、三位とし上から3点、2点、1点と点数をつけるというボルダルールがあります。これによって有権者は公約を吟味し、熟慮の上でより効果的に投票することができます。
書評といっても本の内容を羅列するのもあれなのでこれ以上のネタバレは控えようと思います(/ω\)
政治社会系の新書のなかでは一番はっとさせられる本であり、大学生、社会人の皆さんはぜひいちど目を通してみてください あさのは大学の講義の課題文としてこの本に出会いました…教授ありがとう
あさのでしたっ('ω')ノ