プロログ

ゆるーく登山や哲学的なことを語ります たまに恋愛論を語りますが説得力はないも同然なので不毛だったりします できるだけ読者の皆さんに楽しんでもらえるよう有益な情報の発信に努めます

書評 小林多喜二 蟹工船 プロレタリア文学の金字塔

 

今回は書評の記事となります 題材は蟹工船プロレタリア文学の中でも高い評価の代表的作品です。あさのはスマホアプリの青空文庫で読みました。著作権切れの作品を無料で読むことができますのでぜひご活用ください。

 

書評 蟹工船

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出典https://www.shinchosha.co.jp/book/830216/



舞台は北海道の凍てつくオホーツク海蟹工船とはカニを加工する設備を有する大型船のことです。蟹工船は法的に工船であって航海法は適用されず、かといって都会の工場のように工場法にも縛られない存在であり、法によって保護されない劣悪な環境で労働者は資本家のもうけのために日々働かされるという悲哀を描いています。作中の人夫達は北日本の秋田や青森、北海道の出身のものが多く食い詰めたものや借金返済のため、やくざに騙されたなどの理由で船に乗せられます。小林多喜二が秋田出身ということもあってか人夫らの会話では「んだ」などの秋田弁が多用されており、臨場感あるセリフに引き込まれます。

 とてつもなく過酷な労働環境

船内の労働環境はとても過酷です。拘束時間が長い、仕事が重労働ということはもちろん暴力・虐待が監督の浅川によって日常的に行われます。浅川は何度もこの北洋での漁業はお国のためであり国のために命をつくせと発言します。実際に北洋漁業は政府の国策であり、現場でどれほど非人道的なことがなされていても国は黙認しています。

浅川は労働者が権利を主張することは軟弱者のすることであるとして厳しく罰し、けん銃をちらつかせるなど暴力で支配しようとします。小舟が転覆したり、波にさらわれたり、隠れていた人夫が責殺されるなどが常態化していく中で人夫らは権利意識に目覚め殺されるくらいならばこちらもだまってはいないとばかりにサボタージュや直接的に反乱を起こします。ここらへんのどん底に落とされた人間が「俺たちだって人間だっ!むざむざ殺されてたまるか」と奮起するシーンはまさに人間賛歌。レミゼラブルで学生が革命運動を展開し「民衆の歌」が流れるシーンでも血がたぎったので案外あさのはそういうの大好きなんでしょうね( *´艸`) これが民衆の歌です

youtu.be

この曲のもっとも好きな歌詞は日本語訳の

「悔いはしないな たとえ倒れても 流す血潮が潤す祖国を 屍越えて拓け明日のフランス」のところですね。歌っている彼らとその後の民衆の未来を表しています。マジでこの曲をフランス国歌にしてほしい。

 作品を読んでの感想

あさのは今まで共産主義=実現できない理想主義と考えており、共産主義者自体を宗教的であると胡散臭く感じていました。実際に法は労働者を守らず、資本家が利潤の追求に走るとここまで人はごみのように扱われるものかと驚きました。現在はブラックバイトをSNSで告発したり、パワハラを録音したりと自衛と発信によって対抗できるがほんの10年前はそんなことすらできなかったことに気づかされた。むろん戦前ならなおさらである。そりゃ革命も起こしたくなるわなあって感じ

理解できなかった彼らの思想に共感し、現在の労働環境に感謝しました。

まああさのの野望は週休三日制だけどね 誰か選挙で公約にしないものか

なんだかプロレタリア文学の書評で赤文字多様するとほんとにそっちの思想の記事みたいですね。あさのは中道派です。しいていえばN国支持ですかね(公約実現のために一番頑張っていると思います。

それでは あさのでしたっ